アダルト用語百科:【やおい】
解説「やおい」
【やおい】とは、男性同性愛を題材にした漫画や小説などの俗称。
また、それらを愛好する人や、作中での同性愛的な関係・あるいはそういったものが好まれる現象の総体をいうこともある。「801」と表記されることもある。
やおいの語源としては、作品のほとんどが直接的な性描写のみによって構成されることから、ストーリー構成に必要な「ヤマ(山、山場)」「オチ(落ち)」「イミ(意味)」の3つが無いという意味でこの三語を繋ぎ、そう呼ばれるようになったとされる。元々はジャンルを問わずヤマもオチも意味もない低質な漫画作品全般を指す用語として使われていた。
現在では若年層は元々は否定的なニュアンスがあったという経緯を知らないままに使っている場合があるが、自身の作品を「やおい」と呼ばれることに嫌悪感を抱く作者も存在する。女性向けのパロディ同人誌でも男性同士の同性愛ではなく男女の異性愛を描いているものは区別して「ノーマル」と呼ばれることがある。
実際にはやおい系作品でも厳密に性描写だけから構成されるような作品は少なく、十分に物語性を備えたものであっても「やおい」と呼ばれ、やおい系作品であるが物語性を備えていることを強調するときは「やおいあり」ということもある。
やおいという語の起源は1979年12月20日発行の坂田靖子の主宰する漫画同人会ラヴリの機関紙「らっぽり」誌(波津彬子責任編集)の「やおい特集」であるとされる。もともとはラヴリ内で「山なし・落ちなし・意味なし」「やおい」という表現が自然発生的に出現したもので、その背景には当時の編集者はストーリー構成に厳しく山・落ち・意味をきちんと備えたものを書かなければならないという強迫観念が描き手にあったのだという。