アダルト用語百科:【薔薇族】
解説「薔薇族」
【薔薇族(ばらぞく)】とは、商業誌としては日本初の男性同性愛者向けのゲイ雑誌。
会員制雑誌を含めれば、薔薇族の前に会員制のゲイ雑誌「アドニス」(1952年9月~62年63号まで)、「同好」(1959年10月頃大阪で創刊。後に「清心」に改名)、「薔薇」(1964年7月創刊)、「羅信」、「MAN」、「楽園」の6誌が創刊されているので、厳密には日本で7番目以降に創刊されたゲイ雑誌となる。
伊藤文學率いる第二書房より1971年7月(9月号)に創刊された。なお、編集長の伊藤自身は異性愛者である。誌名は「男同士の愛の場所は薔薇の木の下だった」というギリシア神話が元になっている。
ヌードグラビアや成人向け漫画、官能小説を中心としたポルノ雑誌であったが、それ以外にも同性愛やエイズなどの性病について真剣に取り上げ、おすぎなどを起用したサブカルチャー系のコラムや文通欄などで構成されていた。内藤ルネのイラスト表紙、竹本小太郎や山川純一の漫画も特徴的であった。特に文通欄は、出会いの手段が少なかった男性同性愛者に好評だった。